テイク・ファイブといえば、デイブ・ブルーベックの「Time Out」(1959年)が、思い浮かぶのではないでしょうか。
ンタッ、ッタ、タン、タン
のピアノが、そうですよね。
チャラ、チャララララ、ラーラーラー
のサックスは、ポール・デズモンドです。
曲を作ったのも、ポール・デズモンドです。
このポール・デズモンドのサックスが、非常に柔らかく感じることができて、心地よいのであります。
「このサックスの音がデズモンドですよ」
と一回聴けば、他の人のサックスの音と聴き比べたときに、おそらく、多くの人が、このサックスがデズモンドだ、と判断できるでしょう。なにしろ、私でも解るのですから。
それぐらい、特徴のある音だと思います。
長い間、デイブ・ブルーベックのクァルテットでプレイしていたので、ブルーベックのサイドメンとしてのアルバムが多いのですが、自身のリーダーアルバムも、たくさんあります。
そのなかでも、「テイク・テン」(1963年)が、私は気に入っております。
デズモンドに対する評論家の評価は、イージーリスニング的とかムード音楽的とかいう理由で、そんなに高くなかったらしいのですが、音楽誌などの人気投票などでは、上位だったとかいう話もあるので、そこは、好き好きということでしょうか。
アルバムの1曲めがタイトル曲なんですが、テイク・ファイブが5拍子、なのでテイク・テンは10拍子ということになるんですよね。
でも、ベースのリズムは、やっぱり、
ンタッ、ッタ、タン、タン
ですね。
で、このアルバムでのお気に入りはというと、「黒いオルフェ」ですかね。ルイス・ボンファの名曲です。 同名の映画の主題歌でした。色んな人が演奏しています。
本当は「カーニバルの朝」(manha de carnabal)という曲なんですが、原題も「Theme from ″Brack Orpheus″」となっているように、単に映画のタイトル名で、クレジットされたりもしてます。 映画はコレ。
このアルバムでは「オルフェのサンバ」という曲も良いですよ。これも、「黒いオルフェ」での使用曲です。
全体を通して、デズモンドの柔らかさ、優しさが漂っているアルバムだと思います。
また、ギターのジム・ホールとの組み合わせもそうした雰囲気を醸し出す理由の1つにあるのでしょう。彼もまた、柔らかな音色を持つ一人だと言えるからです。
1枚持っていても良いアルバムだと思います。
タイトル解説、長いぞ。
テイク・ファイブという名曲はブルーベックのリーダアルバムに収録されてはいるけれど、作曲はデズモンドで、そのデズモンドのサックスは柔らかな音色をもっていて、そのデズモンドのアルバムのテイク・テンは心地よいぞ、中でも、黒いオルフェは最高だぜい、という話でした。
でわ、また。