「死刑台のエレベーター」(Ascenseur Pour L'Ecafaud)というサスペンス映画があります。1950年代末のフランス映画です。
昨年(2017年)亡くなった「ジャンヌ・モロー」が出てますね。
美人ではないけど官能的と言われていたらようですが、私はリュック・ベッソンの「ニキータ」での彼女のイメージしかないので、実はピンとこないんですけどね。
この映画の音楽を担当したのが「マイルス・デイビス」というのは有名です。
私は、映画の内容を知らずに、先にサントラを聴きました。単独で聴いても、緊張感の漂ういいアルバムだと思っていますが、であるならば、映画のどの場面でこの音楽が使われているのかを知りたくて、あとから映画を見ました。
聞き覚えのある音楽のフレーズが初見の映画のシーンで聞こえてくるというのが、映画鑑賞にとって良いのか悪いのかはわかりませんが、私の場合、違った感動があったのは間違いありません。
※曲順は私の持っているヴァージョンの音源に基づいています。
1曲目の「Generique」は、いくつものシーンで使われている「主題曲」ということになりますが、私好みのバラードですね。サスペンスの緊張感、不安を実によく表現できているのではないかと思います。
2曲目の「L'Assassinat De Carala」は、殺人のシーンで流れていました。「カララの殺人」という意味なんですが、直接手をかけるのは主人公(カララ:ジャンヌ・モロー)ではなくて、恋人のジュリアンなんですけどね。不穏な雰囲気が出てると思います。
3曲目の「Sur L'Autoroute」は、車を盗んだ若い恋人たちがドライブをするシーン。若者の無計画な行動ぶりを象徴するようなアップテンポの曲調になってます。
4曲目の「Jullien Dans L'Ascenseur」は、ジュリアンが閉じ込められたエレベーターの中で脱出しようと奮闘するシーンで、5曲目の「Florence sur les Champs-Elysees」は不安な気持ちでジュリアンを探してシャンゼリゼを彷徨うカルラのシーンで流れます。
不安と絶望が滲み出るような曲になっていると思いますね。
6曲目の「Dîner Au Motel」は、若い恋人たちと途中で知り合ったドイツ人夫婦との食事のシーンで。これもアップテンポな曲です。ちなみにドイツ人夫婦の車はメルセデスの300SLのガルウィングでした。当時で7000ドルぐらいしたって言う話ですからねー、高級車ですね。
7曲目の「Evasion De Julien」、8曲目の「Visite Du Vigile」は、タイトル通りジュリアンのエレベーターからの脱出シーンで。緊張感が増しますね。
9曲目の「Au Bar Du Petit Bac」は、カララがバーでジュリアンを探すシーンでした。
10曲目の「Chez Le Photographe Du Motel」は、ラストのモーテルの写真屋で殺人の証拠となる写真が現像されるシーンでした。
Ascenseur Pour L'Echafaud (Lift To The Scaffold): Original Soundtrack
- アーティスト: MILES DAVIS
- 出版社/メーカー: PHILI
- 発売日: 1998/02/23
- メディア: CD
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こういった後発のモノには違った音源も入っているようですね。
映画見て良かったと思いました。実に見事に、音楽が映画に溶け込んでいました。
さすがはマイルス、ってことなのかな。
でわ、また。