キース・ジャレット(Keith Jarrett)はよく聴きます。
即興のピアノソロの作品は、三角形の頂点の1つにビシッと位置して
「さあ、聴くぞ」
というカタチが多いのですが、そうでない作品、トリオとかですね、は、そこまでして聴こうと思うことは余りありません。なんでだろう。
もしかすると、ソロなどは、結構無理して聴いているところがあるのかもしれないですね。だから、ある程度覚悟を決めないとダメなのかも。
で、ソロ以外でも、ビシッとポジションを決めて聴きたいアルバムがあります。
「Death and The Flower」(1975年。邦題が「生と死の幻想」)というアルバムがそんなモノのひとつです。かなり、有名なアルバムではないかと。
インパルスというレーベルから出ているアルバムで、いわゆる「アメリカン・クァルテット」での録音です。
なにそれ、という人のために。
1971年には以前から活動していたチャーリー・ヘイデン、ポール・モチアンとのトリオにサックスのデューイ・レッドマンを加えた通称「アメリカン・カルテット」を結成。
ウィキペディアより引用
ちなみに、チャーリー・ヘイデンはベース、ポール・モチアンはドラムです。
収録曲は、3曲でタイトル曲の1曲目が、22分を超える大作です。
初めて聴いたとき、違う人のアルバムを買ったのかと思いました。いきなり笛の音(Wood Fluteとあるので、普通のフルートではないようです。)が流れてくるんですよ。
ピアノのアルバムでないのかい!とか。
これは、キース自身が鳴らしています。
で、この笛の音に続いてチャカポコとパーカッションが加わってきます。そして、引っ張るだけ引っ張ってから、ベースが入ってきます。このベースのソロがなかなか聴かせてくます。そこへ、キースのピアノが重なってくるのです。
ふうむ。一息。聴いてる気持ちになってます。
デューイのサックスは、8分も過ぎてから。
なのですが、少しも唐突な感じがしません。再び、ピアノが出てくるのが10分過ぎ。ここも聴かせてくれます。15分過ぎのベースにさらにぐぐっと引き付けられて、サックスの主題に戻ったかと思うと、あとは一気にフィナーレへ。
22分が、とても短く感じます。
2曲目の「Prayer」(邦題が「祈り」)も、なかなかよいです。これは、力いれずに聴けますね。
「Death and The Flower」というタイトルについては、キース自信の詩がジャケットに載っています。そこには、
「私たちは生と死の間を生きている。~中略~ 私たちはもっと花のように生きるべきである。~略」
みたいなことが書いてあります。
哲学者か?と思いますね、これは。
まあ、いずれにしても、一度、お聴きになっても、良いのではないかと。
|
花のように生きるということでバラの花なのか、ジャケットはなどと、一人思ったりもするのです。
「花のように生きるということ」は難しいけれども、「Death and The Flower」を聴いて心地よくなりましょうという、話でした。
でわ、また。