筒井康隆という作家をご存じでしょうか?
映画「時をかける少女」の
原作者というのが
一番通りがいいのでしょうかね。
本として世に出たのが1967年、
大林宣彦監督による映画化が1983年です。
この間、1972年にはNHKで
「タイムトラベラー」というタイトルで
ドラマ化されています。
私は、これでこの小説を知りました。
最近ですと、細田守監督による
アニメ化が2006年ですね。
これにしても、もう14年も前です。
ですが、今読んでも面白いです。
子供の頃の記憶の
刷り込みの影響は
大きいと思いますけど、
それを差し引いても、ですね。
さて、そんな筒井康隆の作品に
朝のガスパールというのがあります。
このコレクションバージョンの本、
どえらい厚いんですよね。
他の作品も収録されてますから。
私がもっているのは
朝日新聞からでた
平成4年の最初の版です。
読者の意見を
ストーリーに取り込んでいく
という新聞連載ならではの
特性を活かした手法で
話題となりました。
このアイデアは筒井康隆が
最初では無いというのも
スゴいですね。
18世紀のイギリスの小説家
サミュエル・リチャードソンという人が
既に実行していたらしいのです。
そうこの本に書いてありました。
内容も筒井ワールド全開?
といった印象です。
この朝のガスパールという
小説のタイトルが、
モーリス・ラヴェルの
「夜のガスパール」から
きていると言う話は
これまた、有名です。
そして、ラヴェルの
「夜のガスパール」は、
フランスの詩人「ルイ・ベルトラン※」
の同名の詩集を題材にしている
というのも同様ですね。
※アロイジウス・ベルトランという表記が一般的でしょうか。
どうやら、インスピレーションは
巡るらしいです。
ラヴェルの「夜のガスパール」は、
ベルトランの「オンディーヌ」、
「スカルボ」、「絞首台」の
三つをイメージして作曲されたと
されています。
ベルトランの詩集というのは
あまり見かけない気がしますが、
(私の地域の県立図書館では
閉架書庫に隠れていました。)
ネットでは青空文庫などで、
原文も含めて読めるようです。
岩波文庫から出ていたモノが
手元にありますが、
あまり読んだ記憶はありません。
ちなみに「オンディーヌ」は、
水の精霊であるオンディーヌに
夫になるよう迫られるのですが
人間の女性を愛していると言って
断るといった内容です。
では、「オンディーヌ」をどうぞ。
次に、「絞首台」ですね。
詩の方は不気味かつ
非現実の風景を
表現しているようです。
最後に「スカルボ」です。
「スカルボ」というのは、weblioによると、
悪戯好きの妖精のことで、
部屋の中を目まぐるしくかけめぐり、
悪戯ばかりする。
のだそうで、そのタイトルのついたこの曲は
この様子をかなり特殊なテクニックを含む名人芸的な難技巧を盛り込み、鮮やかに表現している。あらゆるピアノ曲の中でも技術的に最も弾きにくい難曲として知られる1曲である。
なのだそうです。
心して聴きましょう。
まあ、クラシックは
よくは聴かないんですが、
なんかスゴいと言われて聞くと
そうなのかなと思います。
最後の「スカルボ」は、
引用の情報を差し引いても
なにか尋常でないモノを
感じますね。
そして聴くのは、
グラモフォンのアルゲリッチ!
クラシックはグラモフォンと
センパイに教わりました(笑)。
くそ暑い夏の夜に、
こんな音楽で涼んでみては
いかがでしょうか。
そう、そしてその手もとには
ベルトランの詩集が似合うと思います。
この類の本は、持っているというだけで
満足する魔力がありますね。
フランス語読めませんけど。
てなわけで、最後まで、
お付き合いありがとうございました。
でわ、また。