伊丹市美術館で開催されている
ルート・ブリュック展に
やっと、行ってきました。
伊丹市の美術館は
人生で初でして、
和風な外観が
意外でしたね。
蕪村の手紙などという
面白そうなのも
やってました。
蕪村の何が面白いのか?
いや、単にポスターの
こういうところを見て、
何となく思っただけですよ。
ね。
さて、ブリュックです。
展示は1階、2階と地下。
もっとも1階に
展示されていたのは、
2点だけでしたが。
学芸員さんに
1、2階は写真OKだけど、
地下はNGです。
混んでますから
カバンなどが作品に
当たらないよう
十分気を付けてね。
としっかり釘を刺されました。
お目当ては、あのライオン。
「ロバに化けたライオン」です。
2階にいましたがね。
黒山とまではいかないものの、
かなりの人だかり。
お腹にロバを置いた
図柄も魅力的ですが、
わたスを惹き付けるのは
釉薬の色が絶妙なトコロ
なんだろうと、
勝手に解釈しました。
同じような作品で
モノクロっぽいのが
ありましたが、
これと比べると
印象が全く違います。
やっぱり、色ですよね。
ブリュックは、
初めはデザインを
していたそうです。
そして、1942年に
アラビア製陶所から
誘いを受けて、
陶芸に携わるように
なったのだそうですね。
この作品はその頃のもので、
壺を抱いている女性は
新たな世界に飛び込もうとしている
自分を表しているのではないかと
言われている・・・と、
その場にいた団体さんに
専門家らしき人が
説明していました。
ほうほう。
そんな話はね、
なかなか聞けませんから
ちょいちょい、
その方の声の届く範囲に
身を置いて
耳をダンボにしていました(笑い)。
彼女の旦那さんは、
タピオ・ヴィルカラという
これまた有名なデザイナーですが、
彼女とはアラビア製陶所で
知り合ったのだそうです。
そして、彼女が
これほどまでに活躍しえたのは、
彼が彼女の才能を
遺憾なく発揮させるために
環境を整えたからだ
とも話していました。
ヴィルカラは、ブリュックを
大好きだったんですって。
陶板に書かれた絵や、
その色使いが、
何となくシャガールを
連想させます。
わたスだけかなあ、
そう思ったの。
地下に降りました。
ここからは、撮影禁止なんです。
彼女の代表的なシリーズ、
蝶をモチーフにした作品が
展示されていました。
そうなんですね。
展覧会のタイトルのサブに
「蝶の軌跡」とあるように
これが、メインなんですね。
お父さんが蝶の
研究者だったことが
大きな影響を与えたそうです。
表現されている蝶が、
自由に空間を舞う姿ではなく
展翅されたモノであるのは、
そういう関係なのでしょうか?
でも、魅力的です。
写真はありませんので
図録からお借りしましょう。
(Butterfllies(部分)/1957年、図録 RUT BRYK:Touch of Butterfly(ブルーシープ株)、p139より引用)
凹面凸面の陶板を
使い分けています。
こうすることにより、
光と影を
より強調したかったのだ
というのは
先ほどから登場する
専門家らしき人の弁です。
確かに一連の蝶の作品は
見ごたえがありました。
このあと、彼女の表現は
どんどん抽象的な方へと
変わっていくことになります。
ちょうどこんな感じに・・。
これは一階に展示されていた
2点のうちの一つ(部分)です。
いやあ、良かったですねえ、
セラミック・アート。
公共施設の壁画でしか
見かけることがないように
思っていましたけど、
陶器の灰皿やコーヒーカップだって
そうですもんね。
伊丹市美術館のあと
来春には
岐阜県現代陶芸美術館(’20/4/25~7/5)、
久留米市美術館('20/7/18~9/6)で
あるそうです。
機会があれば
是非、見に行かれては。
でわ、また。