表題の「Speak Low」というのは、
ジャズのスタンダードナンバーに
なります。
意味は「そっと囁いて」
みたいなところだそうです。
妖しい響きですね。
クルト・ヴァイルが
1943年にミュージカル
「ヴィーナスの接吻」の
劇中歌として書いた曲です。
クルト・ヴァイル
聞いたことありますよね。
彼の代表作としては
「三文オペラ」が有名です。
そうです、「海賊の花嫁」の
親元です。
さらには、
マック・ザ・ナイフの
親元でもあります。
さて、「そっと囁いて」とは
なんでしょう?
歌詞を見てみるとこうです。
Speak low when you speak, love
Our summer day withers away too soon, too soon
Speak low when you speak, love
Our moment is swift, like ships adrift, we’re swept apart, too soon
・・・・・
Lylics by Kurt Weill
「love」ってのは恋人の
ことらしいですね。
「withers away」ってのは
「しぼむ」とか「衰える」
という意味のようです。
どこかで「色あせる」と
訳していらっしゃる方が
おられましたね。
なるほどと思いました。
つまり
話すときはそっと囁いてね。
夏の日はあっという間に
消えてしまうから。
話すときはそっと囁いてね。
二人の時間は漂う船のように
すぐに押し流されてしまうから。
とかいう意味になるらしいです。
愛のひと時は、はかないものだから
それを壊さないように
静かに話しましょう
っていうことですね。
で、この曲も実にたくさんの人が
プレイしています。
歌詞付きですから、
当然ヴォーカルものが
いいんでしょうね。
アニタ・オデイとか
サラ・ボーンなんぞが
王道のようです、が
あえて、ソフィ・ミルマンで
聴いてみましょう。
ちなみに私は、
こういう雰囲気のモノが
好みですね。
ニルス・ラングレンというのは
スウェーデンのトロンボーン奏者ですが
歌っているのも本人です。
では、次にインスツルメントで
いきましょう。
インスツルメントでは、
ソニー・クラークが
最初だったんじゃないかと聞きました。
1959年のアルバム
「Sonny's Crib」からです。
メンバーがまたすごいんです。
ドナルド・バード(tp)、
ジョン・コルトレーン(ts)、
カーティス・フラー(tb)、
ポール・チェンバース(b)、
アート・テイラー(ds)
あ、アート・テイラーは
あまり知らないんでした。
ベースがいいですねえ。
歌詞からもわかるように
季節は夏のようですから
夏に聞くべき爽やかな印象に
なっています。
ベースと言えば、
ブロンバーグがやると
こんな雰囲気になります。
私は好きですけど、
疾走感がありすぎて
愛を語らう雰囲気は
ないかもですね。
今年最初の聴き比べでした。
でわ、また。