マッツ・アイラーツェン(Mats Eilertsen、アイレットセンって表記されていることもあります)。
ノルウエーのジャズ・ミュージシャンです。
ベーシストで、ドラムなんかもおやりにやる。
1975年生れの、40代。
この人も、最近お話ししたように、「Floating」という、アルバム(曲名)探しの作業の中で、知ることとなりました。
その時、別の機会にと申し上げたので、10日もたたないうちに、別の機会を作ったというわけです。
わっはっは。
結構アルバムは出てるんですが、メロディアスで聴き惚れてしまうといったところからは、だいぶ離れたモノが多いように思います。「今日は、疲れたからリフレッシュにちょっと聴いてみようか。」といった類の音楽ではないということですね。私の感覚ですけれどもね。
聴いた限りでは(3枚ほどです。)ジャズというより、コンテンポラリーっていうんですか、そっちよりかなというのが正直な感想です。
聴くと疲れます、私は。
でも、北欧のミュージシャンらしい、重く暗い雰囲気は、好きです。
特に、ずん、ずんと鳴るベースがね。
で、そんな聴き手に挑戦してくるようなアルバムの中でも、アイラーツェン名義としてはデビュー・アルバムになる「トゥランガ」(Turanga、2004年)は、何度も聴いてしまう魅力があります。
「Turanga」というのは、サンスクリット語で「時」、「天候」、「リズム」などの意味がある言葉だということです。「ほう」。聴く前に、カウンター喰らった感じです。
演奏は、ベースとサックスとドラムとチェロのクァルテットなんです。
チェロ?ってなりますよね。ま、そこかしこに聞こえています。
4曲目の「Sweet Snowflakes」がポピュラーなジャズに近いという批評を何かで読んだ覚えがあるんですが、それでも、なかなか手ごわい気がします。
私は、むしろ6曲目の「Sukha」ってやつの方がいいですね。そう、心地よい。因みに、こちらはサンスクリット語で「安楽」とか「幸福」という意味らしい。
ああ、そうか。やられたね。
というわけで、聴き手挑戦してくるかのような「ジャンル不明のアイラーツェン」なんですけれども、「それでも、響くときは心に響く」ぞ、ということで、なかでも、「Sukha」は心地よいぞ、という話でした。
でわ、また。