表題の本を読みました。
エミリというのは小さな子どもで、
その子と子ども用の包丁にまつわる
お話かなと単純に思っていましたが、
まったく違いました(笑)。
小説のタイトルで内容を想像すると
だいたい間違っていますね、私は。
このお話の導入部でも、
包丁が持つ負のイメージ
(危険とか犯罪とか)、
先入観をうまく使っていて
え、いきなり?みたいな感情と共に
物語の世界に引き込まれてしまいました。
わたス、単純なんですね。
お話は、都会で
ダークな失恋をした主人公が、
小さい頃にしか会ったことのない
おじいちゃんの家に転がり込んで、
田舎の人たちとすったもんだしながら
成長して都会に帰るっていうものです。
簡単すぎますか?
じゃあ、もう少し詳しく。
傷心のこころを癒すばかりか
住むところもなくなったエミリは、
田舎で一人暮らしをする
おじいちゃんのところへ
転がり込むことになります。
何も聞かずにエミリを
受け入れるおじいちゃん。
そこで、エミリはなぜか
心に響く風鈴の音色と
おじいちゃんの作る
新鮮な地場産の材料を使った
おいしい料理、
そしてやさしい
地元の人たちに囲まれて
生活していくうちに、
嫌な過去を受け入れ、消化し
前を向くことができたのでした。
そして、小さな包丁は、文字どおり
小さな包丁だったのでした。
え、伝わらんなあ?
でしたら読みやすいですから
ぜひ読んでください(笑)。
出てくる料理の描写も
最高ですよ。
でもね、物語に出てくる
主人公のおじいちゃんは、
変わった形の銅の風鈴を作る
職人さんなのですが、
わタスからすれば
もう聖人君子のような人で
強くこうありたいと思いましたね。
絶対無理だとも思いましたけども。
ところで、森沢明夫さんといえば、
いくつも作品が映画化されています。
虹の岬の喫茶店もそうですよね。
6つのエピソードが
時系列的に語られていきます。
わたス、映画は見てないんですけど、
映画での喫茶店の女主人の役が
吉永小百合さんだったと知り
あらまあ、イメージぴったりと、
感心してしまいました。
ちなみに、こちらの方にも、
変わった形の風鈴が出てくるんですよね。
どちらも桔梗の花のようなと
表現されていますけど。
虹の岬が2011年、
小さな包丁が2016年ですから、
虹の岬の方が先なんですね。
あの風鈴が、
おじいちゃんの作った風鈴なのか
と思うと、なぜかうれしくなりました。
でわ、また。
最後までお読みいただき、
ありがとうございました。