おみくじ付の煎餅を頂きました。
京都は伏見の「松屋」さんの「鈴味噌せんべい」です。すぐに、ばりぼりと、美味しく頂いてしまいました。
紹介したいのですが、全部食べてから、「写真を・・」と思いついた次第でして。
アマゾンにも無いようですし・・。
ということで、画像はありません。
おみくじには次のように書いてありました。
「紺の前垂れ松葉を染めて、松に紺とは気にかかる」
?? 「おみくじ」なんでしょ?
最初は何のことやら。
しばらく考えたのち、なんとか思い当たるおみくじ用語が浮かんできました。
「待つ」に「来ん」と読み替えればいいんですよね。つまり、「待ち人、来ず」っていう駄洒落というか、そういう意味ですね。
おみくじとしては、それで納得しました。
「前垂れ」というのは「前掛け」のことのようです。つまりは「エプロン」。
で、出典がよくわからないですね。ことわざでもなさそうですし。
なので、頑張って調べてみました。
私の知らない世界がソコにありました。
まず、出てきたのが「無筆の女房」という落語ですね。
太鼓持ちの夫と読み書きのできない(無筆)女房の話なんです。その話の中で女房が仲人に離縁状を持っていく場面がありまして、その離縁状の内容が、
「蝉が鳴く鳴く、大臣寺の森で、蝉じゃござらん、をとせでござる、紺の前垂れ松葉を染めて、まつにこんとは気にかかる、ネンねコオロりコオロりよ」
というのでした。これで検索に引っ掛かったわけですね。
どうも、引用のようです。
この落語は、これがメインではなくて、オチは、ひらがなを覚えた女房が、ろうそく屋の絵看板をみて、「あり」という単語を「ろうそく」と読む、あるいは指す言葉として覚えたという話なんです。
言葉足りないですね。
江戸時代はまだまだ無筆の人がたくさんいて、文字が読めなくても売っているものがわかるように売り物を絵にかいて看板にしていたようです。この場合、その看板に「ろうそくがありますよ」という意味でろうそくの絵の看板に「あり」という字を書いてあったところ、「ろうそく」のことを「あり」と書くものだと女房は覚えたということです。
なので、「無筆の女房」は、別名「あり」ともいわれるようです。
さらに、検索を進めると、たどり着いたのは「紺の前垂れ」という小唄でした。
2分ぐらいからが、「紺の前垂れ」です。
こういうのアップされてる方がいるんですね。
平岡吟舟という江戸末期から明治初期に実業家としても活躍した方の作曲ということです。作詞は不詳のようですね。
歌詞としては、おみくじに書いてあったのが全文だったようです。
一方で、「無筆の女房」は、明治初期につくられた落語として整理されているようですから、吟舟の小唄を拝借したというところですかね。
結局は、待っても来ないいい人の唄ってことですか。
いくつになっても世の中知らないことだらけですねえ。
こういうのを聴いて、「粋」を身につけねば。12曲目に収録されています。
- アーティスト: 春日とよ栄芝,春日とよ喜扇,春日豊芝洲,春日とよ美竹,春日とよ美輪
- 出版社/メーカー: 日本伝統文化振興財団
- 発売日: 2011/03/30
- メディア: CD
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無理っすか?
無理っすよねえ・・。
視点を変えて、紺の前垂れ、良いっすよね。この辺にしときますか。
煎餅に入っていたおみくじの内容が気になって調べたら、「紺の前垂れ」という小唄に辿り着いたよという話でした。あーすっきり、心地よい。
ホントはね、作詞者が不詳というのはすっきりしないんですけどね。
でわ、また。