この曲が心地よい!

ふと知り合った、自分に心地よいメロディー それらを紹介しています そしてときどきガーデニング、のつもりがガーデニングがメインになっています。

紙鑑定士の事件ファイル

タイトルはね、

歌田年さんの本ですね。

 

紙鑑定士という

名詞もさることながら、

贅沢にも四種類もの紙を

使用した本の作りに

惹かれましたね。

 

果てない物語の二色刷本文を

見たときもそうでしたが、

これも本棚に飾りたいなと

すぐに思った本です。

小口を表にしてね。

 

ちなみに、小口は

こんな風に見えます。

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分かりにくいですが

紙質が違っていて、

層になっているのが

見てとれると思います。

 

また、パラパラとめくるやいなや、

誰だ、こんなとこに

メモ用紙挟み込んだのは

となるような仕掛けもあります。

 

わかんねーよって?

ぜひ手にとってみてください。

すぐにわかります(笑)。

 

主人公、渡部圭は

タイトルにもあるように

紙鑑定を生業とする人

という設定なのです。

紙についての蘊蓄を

これでもかと

小説のなかで、主人公に

語らせていますが、

これがなかなか興味深いわけです。


当然紙の鑑定だけでは、

お金になりませんから

出版社などに対して

紙を売り込むような

営業の仕事もやっていて、

業界との繋がりも

結構あるという設定です。

 

本人に語らせている

内容をそのまま紹介しますと、

こんな感じです。

はい。例えば持ち込まれた紙のサンプルを調べて、メーカー、銘柄、紙の密度である米坪を推定し、紙厚を測定します。

たいていは書籍や紙製品そのものが持ち込まれることが多いですね。私が得意とするのはやはり本です。カバー、オビ、表紙、見返し、口絵、本文、上製本なら芯ボールもですが、それらのパーツにどんな銘柄の紙が使われているかを鑑定します。場合によっては、ご予算に合わせて、それらに準ずる銘柄をいろいろご提案したりもできます。

これってなかなかスゴいことですよね。

 

その紙鑑定事務所を

探偵事務所だと勘違いした女性が

突然やってくるところから

物語が始まります。

 

この最初の事案は、

営業のつてをたどって

うまく解決するのですが、

実はこれが前振りで、

本筋となる依頼が舞い込んできます。

この依頼を、ホビー業界から

ホサれたプロモデラー「土生井」

とともに解き明かしていくわけですね。

 

誰よソイツって?

読みなさいって(笑)。

 

半ば強引に正解へと突き進む

強運にはさすが「神」鑑定士と

皮肉も言いたくなりますが、

そのおかげでテンポよく

展開されるストーリーとなって、

次へ次へという推進力になっています。

そして、ところとごろにねじ込まれる

プラモなどの蘊蓄が、いいですね。

 

面白かったですよ。

 

でわ、また。

最後までお読みいただき、

ありがとうごさいます。