先日、飛騨地方に旅行に行ってきました。
旅行に行ったときは、地元の朝市や農産物直売所になるべく立ち寄るようにしています。なぜなら、結構、珍しいものが当たり前のように売られていることが多いからです。当然、僕にとってということですけれどもね。新しい発見と言うか出会いほど、心ときめくものはありませんからねえ。
今回は、福地温泉というところで、出会いがありました。「はしばみ」って書かれたザルに、透明なビニール袋に入った一握りの木の実が売られていました。カッコ書きで「ヘーゼルナッツ」って書いてあります。「ヘーゼルナッツ」って言ったら、お菓子に使ったり、チョコレートに混ぜて食べたりするアレだよなあと、思い浮かぶのですが、「はしばみ」???。見た目がカタチの悪いどんぐりなので、どうも結び付きません。
こいつは、買うべきだ、と即断して、手に入れました。
これね。どんぐりですね。
お店の人の話だと既に煎ってあるとのことで、殻には割れ目が入っています。
これを、パキッとやると、なかから茶色い実が出てきました。
まだわからない。
さらに表面の皮をむいてやると、下から白いものが出てきました。しかし、剥きにくい。格闘すること数分。ようやく、全容が現れた。
おお、これは、まさしく「ヘーゼルナッツ」。そうだったのか。どんぐりの実のことだったのか、ヘーゼルナッツって。知りませんでした、これは。
僕は、クルミ大好きです。殻を割って、皮をむいて中身を食べる。この過程も嫌いではありません。ヘーゼルナッツも同じです。これは、自分ちで育ててみると面白いぞと考えました。なので「はしばみ」についてちょこっと調査。
まず、一般にヘーゼルナッツと呼ばれているのは、セイヨウハシバミという落葉低木の果実の種の中身のことをいいます。これを、仁というらしい。クルミや銀杏も同じですね。
日本には、ハシバミとツノハシバミという種類があって、それぞれ山に自生しています。日本では商用栽培はされていないようで、そのほとんどがトルコから輸入されていとのことです。苗木を植えてから結実するまでには10年近くかかるほか、隔年結果しやすい、収穫後、直ぐに加工しないと腐りやすい、そういったことから、日本ではほとんど栽培されていないということです。
自生しているというけれど、気がつかなかったですねえ。山には結構いくんだけれども。
葉っぱも、見覚えがありませんし。まあ、注意して探さないと、わからないもんですけれどもね。
ヨーロッパではポピュラーな樹らしく、昔話にもよく出てくるようです。シンデレラとか。へえ、そうなんだ。
面白いなあと思ったのは、セイヨウハシバミは、英名で Common Hazel、ハシバミはAsian Hazel。当たり前なんだけれども、やはり、自分のところが中心ということなんだなあと。
樹としては大きくなってもおよそ3メートル程度、樹には雄雌の区別が無く、雄花と雌花が別々に咲いて、自分の樹の花どうしでは実がなりにくいという性質を持っていることがわかりました。専門用語で、雌雄同株、雌雄異花で、自家結実性がないというらしい。
つまり、実をならせようとすると、同じ苗木を2本用意して、10年ほど待たないといけないということ。
フェイジョアとかオリーブなんかも種類の違う樹を2本用意しないと実がならないとかで、狭い土地に2本ずつ植えてあるので、これ以上、同じ樹を2本植えるのもなあ、と少し熱が下がってしまいました。
どうしようかなあ。実のなる樹は大好きですけれどもね。しばらく考えてみます。買って食べるのが正解か。
「はしばみって何だよ?」というお話でした。
でわ、また。