バッハの「シャコンヌ」っていう曲、ご存知ですか。
おそらく、たいていの人が一度は耳にしたことがあるのではないかと思うんですが。
アイススケートの村上佳菜子選手が、2011年のシーズンで、ショートプログラム(SP )に使用した曲だというと、わかりやすいですかね。
正確には、彼女のSPで使用されたのは、バッハの「シャコンヌ」ではなく、川井郁子さんという、日本のヴァイオリニストの「ヴァイオリン・ミューズ」という曲なのですが、この「ヴァイオリン・ミューズ」の原曲がバッハの「シャコンヌ」なのです。
いや、これも、正確ではないか。
「ヴァイオリン・ミューズ」は、バッハの「シャコンヌ」とヴィターリ*1の「シャコンヌ」をもとに編曲・アレンジされたものですから。冒頭の部分がバッハの「シャコンヌ」、1分ぐらいからの部分がヴィターリの「シャコンヌ」、最後にまたバッハに戻る、そんな感じです。
どちらの「シャコンヌ」も素晴らしい作品だと思いますが、クラッシックの世界では、バッハの方が、「ヴァイオリニストだったら誰もが演奏してみたいと考える楽曲だ」と言われているそうで、事実、たくさんのヴァイオリニストが、アルバムを残しています。例えば、パールマン、シェリング、ハイフェッツなど、往年の名ヴァイオリニストが挙げられます。あと、ヒラリー・ハーンや日本が世界に誇る五嶋みどりとか。
そうそう、ヒラリー・ハーンといえば、何年か前の「ヴィレッジ」という映画のサントラで演奏していましたね。映画も面白かったし、バックに流れていた曲も良かったと思います。美人だし。
話が横道にそれてしまった。
ヴィターリの「シャコンヌ」は、およそ10分の作品で、情緒的というかロマンチックな感じでしょうか。名曲だと思います。
バッハの「シャコンヌ」は、無伴奏バイオリンのためのソナタとパルティータという作品群の中の「パルティータ第2番」の第5楽章のことで、およそ15分あります。
2番の中では、というかこの作品群の中でも、一番ボリュームのある中心的な楽曲と言われています。それゆえ、単独で演奏されることも多く、認知度も高いのでしょう。演奏の難易度も高いといいます。冒頭のインパクトがすごいですね。
どちらも、名曲なのですが、その二つを合わせてしまうなんて発想も、凡人には、なかなかできないことですよ、「ヴァイオリン・ミューズ」。
ま、いろいろ言いましたが、最終的には、オーソドックスにバッハの「シャコンヌ」が感動しましたということです。
「バッハ+ヴィターリ=ミューズ」という、お話でした。
でわ、また。
*1:イタリアのヴァイオリン奏者、作曲家。J.S.バッハと同じ時代の人