「アメリ」(Amelie)という映画覚えてらっしゃいますか。2001年のフランスの映画です。
ストーリーは、一言で言ってしまうと、
「ちょっと変わった家庭で育った主人公の女性が、他人を幸せにすることを生きがいにし、紆余曲折を経ながら、最後には幸せになるみたいな映画」
なんですが。端折りすぎスか? でわ、こちらを。
この映画の音楽を担当していたのが、同じフランスの「ヤン・ティエルセン」(Yann Tiersen)という人でした。
バックに流れる音楽が気になって、ちょっと調べてみたというわけです。
ピアノ、ヴァイオリン、アコーディオン、ギター等々を演奏するマルチ・プレーヤーとのことでした。
映画「アメリ」に音楽を提供したことで世に名を知られるようになったとウィキペディアに書いてありました。
そうなんですね。私もそうですもんね。
で、それ以前から活動はしていて、1995年にデビューアルバムとなる「La Valse des Monstres」をリリースしていました。何枚も、アルバムをリリースしているんですが、何故かこれが気になって、ヒアリング。
フランス語って、ピンとこないので嫌なんですが、フランス語の「Valse」は「ワルツ」という意味でした。
最初、ラピュタの破滅の言葉かと思いましたけど。
知らないってことはツヨイんです。
で、「Monstres」は、そのまんま「モンスター」ですね。
直訳すると、モンスターのワルツ? ですか(アメリのサントラの邦題は「おばけのワルツ」となっています。)。
特に気になったのは、このアルバムの曲目の「Iwakichi」と次の「Hanako」です。もろ、日本語ですよね。
なんと、三島由紀夫の近代能楽集の「綾の鼓」という作品の登場人物なんだそうです。
その戯曲のための音楽なんだとか。
なんとワールドワイドな展開だこと。
流石は三島由紀夫!
いや、実は、三島由紀夫=「潮騒」程度の知識しかなかったのですが(山口百恵のファンでしたからね)、慌てて本屋に行きましたよ、近代戯曲集とやらを求めて。まだ読んでないすけど。
話が横にそれましたが、アルバムを聴いてみると、おもちゃ箱をイメージします。
何故かと言えば、トイピアノっていうんですか、それらしき音で、いくつかの曲が演奏されているからです。
こんなヤツですね ↓
KAWAIが作ってるってのも驚きだったんですがね。
こういう音って、あまり経験がなかったものですから、少なからずのインパクトがありました。
1曲目は、ドラマチックな展開を想像させる曲でなかなか良いんですよ。
2曲目はアメリでも使われていたタイトル曲で、メインの楽器はアコーディオンです。悪くないですね。
そう思わせておいて、3曲目、ポコポコとトイピアノの音が・・・。保育園で聞いたような、子供の頃、妹のいる友達の家で聞いたような、アノ音です。
聞いたことはなかったですからねえ、丸々、トイピアノ・・・。
実は5、8、10、13、14曲目もそうなんです。8曲目は2曲目の「La Valse des Monstres」のトイピアノヴァージョン、さっきの「Iwakichi」と「Hanako」が、13と14曲目です。
やっぱり、フランスと言えば「アコーディオン」ですねえ、といいたかったんですが、トイミュージックという世界があって、その中心地はフランスなんだそうです。
へええええー。そうなんだあああ。
また、新しい世界が広がるかもしれない!
で、この人、こんな変わったアルバムばかりかと思いきや、「EUSA」(2016年)というソロピアノのアルバムなんかも出していて、コレがまた、実に私の好みでありまして、
良い!
しかし、ここでは、新世界への扉を見せてくれた「La Valse des Monstres」に1票!ということであります。
「フランスのトイミュージックの入ったアルバムには三島由紀夫の戯曲」のためのモノも入っていたりもするし、やっぱり「La Valse Des Monstres」は、心地よいぞという話でした。ながっ!
でわ、また。