SEとは、何か。
システムエンジニア(Systems Engineer)の略。正解だけれども、今日はノン。
南東(South East)。正解だけれども、これも今日はノン。
セカンドエディション(Second Edition)の略。これも正解だけれども、今日はノン。
効果音(Sound Effect)の略。はい。
今日の正解。
アルバムでね、いろんな効果音が使われているのがありますよね。
プログレッシブとかニューエイジとか言われるジャンルでは、結構多いですけど、他のジャンルでもあります。これが、当然といえば当然なんですけど、おもしろい。製作者の思惑にばっちりはめられて、良いではないか、と思ってしまう。
たとえば、ビリー・ジョエルの「Glass Houses」(1980年)は、ガラスの割れる音から1曲目に入っていきますよね。そして歌詞は「Friday night I crashed your party~」と始まる。いやー、なんかかっこいい。
キッスの「デストロイヤー」(1976年)の「Detroit Rock City」なんか、ドライブインかどこかの会話から入って、自分の車に乗り込み、エンジンをかけ走り出す。こんなところからアルバムが始まる。カーステレオからは軽快なロックンロールが流れている。これが自分たちのバンドの曲だというのも、なかなかだと。そして曲の最後は車のクラッシュの音で終わると。凝ってますねえ。
洋楽ではないんですが、中森明菜の「CRIMSON」(1986年)というアルバムの最後の曲、「ミック・ジャガーに微笑みを」もタイピング音から始まって、途中でカセットをセット。流れてくるのは自分の曲で、同じアルバムの一つ前の曲。そして、カセットから流れてくる「ミック~」が、そのまま本トラックに繋がっていくという構成。最後は、またカセットから流れてくる音に切り替わって、街の騒音でフェードアウト。うん。良きかな。

- アーティスト: 中森明菜,竹内まりや,許瑛子,三浦徳子,湯川れい子,FUMIKO,吉元由美,椎名和夫,鷺巣詩郎
- 出版社/メーカー: ワーナーミュージック・ジャパン
- 発売日: 2014/01/29
- メディア: CD
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ピンク・フロイドなんか、SEがないアルバムなんかないって感じですよね。「Atom Heart Mother」(1970年)の「Atom Heart Mother Suite」なんか、蹄の音や、砲撃音、エンジン音などを入れてますよね。「Animals」(1977年)なんかタイトル通り犬、豚、羊の鳴き声が入ってますね。プログレ系のこうしたものは、SEといっていいかどうかは疑問ではありますが。
クィーンだとアルバム「Sheer Heart Attack」(1974年)の1曲目「BRIGHTEN ROCK」は、街中の雑踏と口笛から、始まりますね。「A Night At The Opera」(1975年)の「I'm In Love With My Car」だと、曲の中間あたりと、終わりに車のエンジン音が入ってますね、さりげなく。
大体こういうものって、曲と一体のものになっていて、曲のイメージに対する効果や、アルバムコンセプトの一助になっていると思うんですが、変なのもあるんですよ。
リック・デリンジャーというギタリストがいたんですが、彼の「デリンジャー」(1976年)というアルバムの最後の溝(無音溝というらしいのですが)に、拳銃の音が収録されていたんです。
当時、レコードプレーヤーには、オートリターンと言って、再生が終わると、自動的にピックアップがもとの位置に戻るようになっているものがあって、僕の持っていたのもそういうタイプでした。この手のタイプだと、先程のような、レコードの無音溝に録音されているような音声は再生できないのです。その溝をトレースする前に、針が上がってしまうからです。
オートリターン機能の付いていないプレーヤーを持っている友人のところへ、わざわざその音声を聴くためだけに、レコードを抱えて行ったりしました。
流れてきたのは、「ぱん、ぱんぱん」という乾いた発砲音で、音声は大したことなくて、がっかりしたのを覚えています。
これら以外にも、もっと凝ってたり、スゴいのがたくさんあると思うんですが、曲と一体になっていて、なかなか、思い浮かばない。今日のほとんどが1970年代中頃というのも、残念。
単に「SE」と言うと、いろんな意味がありますが、「今日のSE」は、サウンドエフェクトですよと言うお話でした。
でわ、また。