クロウタドリなんて、
あまり耳にしない名前ですよね。
ウィキペディアによると、
体長約28cm。大型ツグミの一種。雄は黒いからだに黄色いくちばし。目の周りが黄色い。雌のからだは雄に比べて淡く、嘴やめの周囲の黄色い部分が目立たない。
ということです。
また、この鳥を英名で
「Blackbird」と言うんだそうですね。
こんな鳥ですね。
英語版ウィキペディアのSannseさん - 投稿者自身による作品, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=511254による
例によってウィキペディアから
画像をお借りしました。
「Black Bird」と聞いて
あの超音速偵察機「SR71」を
思い浮かべるのは、
マニアの方でしょうか。
私はマニアではありませんが
この偵察機は知っています。
カッコいいですよね。
しかし、配備が1960年代ですし、
ミレニアム前に退役してますから、
知らなくて当然かもです。
このほかクロウタドリというと、
ジェィムズ・リーヴズという
イギリスの詩人の本に、
そんな名前の入ったものが
ありましたね。
挿絵が
「エドワード・アーディゾーニ」
という人なんですが、
この絵がなかなか良いんですよ。
「あかいえのぐ」とか
「チム・・」シリーズの絵本で
有名ですね。
こんな感じの鳥ですから、
カラスか何かの別名か?
ぐらいにしか思わないのが
普通なのかも知れませんねえ。
で、そんなクロウタドリをタイトルに持つ
スタンダードナンバーがあるんですね。
「Bye Bye Blackbird」という曲が
それであります。
どんな曲なのか
とりあえず聴いてみましょう。
マイルス・デイヴィスで
お送りしました。
「'round about midnight」からのチョイスです。
調べてみると
この曲が作られたのは、
1926年ということなのです。
ずいぶん昔に思いますが、
スタンダードナンバーとしては
普通なのですね。
作曲はRay Henderson、
作詞はMort Dixonという
人たちです。
歌詞の原文は次のとおり。
ええ! 歌詞があったのかって?
あるんですよ。
それならなぜに最初の一曲が
インストなんだって?
おお、そうですね!
流れ的に不適切でしたね。
Blackbird, blackbird, singing the blues all day
Right outside of my door.
Blackbird, blackbird, why do you sit and say
There's no sunshine in store.
All thru the winter you hung around,
Now I begin to feel homeward bound.
Blackbird, blackbird, gotta be on my way
Where there's sunshine galore.
Pack up all my care and woe,
Here I go, singing low,
Bye bye blackbird.
Where somebody waits for me,
Sugar's sweet, so is she,
Bye bye blackbird.
No one here can love and understand me.
Oh, what hard luck stories they all hand me.
Make my bed and light the light,
I'll arrive late tonight. Blackbird, bye bye
Bluebird, bluebird, calling me far away,
I've been longing for you.
Bluebird, bluebird, what do I hear you say
Skies are turning to blue.
I'm like a flower that's fading here
Where every hour is one long tear.
Bluebird, bluebird, this is my lucky day.
Now my dreams will come true.
これを踏まえて、歌詞付きの動画を
どうぞ。
内容には結構、色々な解釈が
あるようですが、
大体の和訳は
こんな感じのようです。
ブラックバード、ブラックバード、
私の部屋のすぐ外で
一日中ブルースを唄ってるおまえ。
ブラックバード、ブラックバード、
なぜ、そこに座って、
この先も、陽の光は望めない
なんて言うの?
冬の間ずっと、そうやって
ぶらぶらしているおまえを見ていると
もう、家に帰ろうかとも思うんだが。
ブラックバード、ブラックバード、
陽の光がいっぱいあるところにね。
心配事も悲しみも
全部カバンに詰め込んで、
鼻歌でも歌いながら出ていくんだ。
さよなら、ブラックバード。
砂糖のように甘い誰かが、待ってるところに帰るのさ。
さよなら、ブラックバード。
この町には、愛してくれる人も、
理解してくれる人もいない。
わたしに、つらい人生を強いるだけ。
ベッドの支度をして、
電灯を点けておいて、
今夜遅く着くから。
ブラックバード、さようなら。
ブルーバード、ブルーバード、遠くから私を呼んでいるおまえ。
ずっと待っていたのさ。
ブルーバード、ブルーバード、
空の色が青空になるぞなんていう
おまえの声が聞きたいのさ。
このままでは、花のように萎れてしまう
ここでは、涙のように時が失われるよ
ブルーバード、ブルーバード、
今日が私の幸運の日なのね。
今まさに、夢がかなうのね。
おおむね、「ジャズ詩大全」という本の
モノを参考にしてます。
陽の当たらない生活をしていた私、
意を決して、その暮らしから決別するため
母親なのか彼女なのか、
の待つ家に帰ろうとしている、
(ひょっとすると誰もいないのかも)
そんな歌らしいですね。
ちなみに、先ほど話に出た
ライラックの枝のクロウタドリは、
「幸いあれ」って鳴くんですよね。
色々です。
インスツルメントで
聴くことが多いこの曲ですが、
今回、いろんな方の和訳を
読んでみて、なかなか深いなあと
思った次第です。
さて、歌詞の割には曲調が
明るめのように思いますが
旅立ちの歌と考えれば
仕方がないところでしょうか。
ただ、こんな雰囲気のものも
あるんですよ。
寝ちゃいますね。
子守歌か?ぐらいの雰囲気ですね。
でもいいでしょう?
歌詞は真ん中の部分だけですね。
ほかにキース・ジャレットが
同タイトルのアルバムを出していますね。
だからというわけではありませんが、
彼の演奏も聴いてみましょう。
いかがでしたかね。
スタジオアルバムからの
音ではありませんが、
唸り声も含めて
ジャレットらしい響きですね。
演奏するミュージシャン次第で
曲の雰囲気がガラリと変わるなんてことは
よくある話ですし
それが面白いから聴き比べなんてことも
するわけですよね。
最初のマイルスのヴァージョンは、
それまでパッとしなかった?この曲を
スタンダードに押し上げた名演だといわれています。
今回は、クロウタドリに関する
お話でした。
いかがでしたか?
最後に、ダイアナ・クラールの
歌声でお別れしましょう。
こいつぃあ、いいでしょ。
映画「パブリック・エネミーズ」の
サウンド・トラックからでした。
- アーティスト:エリオット・ゴールデンサル,オーティス・テイラー,インディアン・ボトム・アソシエーション,ビリー・ホリデイ,ブラインド・ウィリー・ジョンソン,ダイアナ・クラール,オールド・レギュラー・バプティスツ
- 発売日: 2009/12/09
- メディア: CD
最後まで、おつきあい
ありがとうございます。
でわ、また。