最近なんですけど、「尾崎翠」という作家さんを知りました。
いくつか作品を読みましたが、どれも興味深く読ませてもらいました。
一冊これ↓を読んだだけなんですけど。
私は図書館で借りたのですが、独特の表現というか世界観というか、そういうモノに、思わず引き込まれてしまいました。本来、純文学的な作品はなかなか読まないんですけどね。
この本には16編の作品が収められていますが、ほとんどが20ページ以下の短編ですね。また、「第七官界彷徨」とか「新嫉妬価値」、「杖と帽子の偏執者」など、タイトルも面白いです。
読んでいると、恥ずかしながら読めない漢字が多出する(意味の分かるモノも少ない)ので、いちいちルビの振られているページに戻ったりして、なかなか先に進めなかったり、そのため内容が頭に入ってこなかったりすることがありました。
例えば
自分の漢字力の無さ反省すべきですよね。
(-_-;)。
ともかく、昔の文章なんだなというのをこれで思い出す始末です。カタカナの表現で「ノオト」とか出てきますから間違いなく昔の文章なんですけどね。
そう、それがなければ90年近く前の作品だとは思えないほど古さを感じさせない、そういう気がしました。自分が年寄りだからでしょうか。う~ん、あるかもしれません。
いくつかの作品にふれておきます。
・「アップルパイの午後」
芝居がかった会話とその割に進歩的な恋愛観がアンバランスで面白いと思いました。
だってね、アップルパイを食べた妹がその口もとをハンカチでぬぐうと(兄の)友達(妹の恋人?)はこういうんですよ。
なんて口惜しいことをするんです。甘いほど好いんだ。
何という事でしょう(笑)。
・「初恋」
祭りの夜にとある女性に恋愛感情を持ってしまったという話なんですが、結末が何ともです。あ~、あるかもね~、と妙に納得したりしちゃいますけど。やはり文章がいいんでしょうか、情景が思い浮かびました。
・「こおろぎ嬢」
私には「私小説」なのかなと思えてしまったのですが、そんな簡単な内容でも無いようですね。「分裂」、「分身」「両性具有」とかいう作家の心的な背景があるんだそうです。
ま、私にはそんなことはどうでもいいんですけどね。
浜野佐知監督によって映画化(2006年)されているらしいんですよ。
観てもみたい気がしますね。
でわ、また。
最後までお読みいただき、
ありがとうごさいます。