アレッサンドロ・ガラティは、イタリアのピアニスト。今回、話題にする曲は彼のメジャーでは最初のアルバムになるのかな、1995年にリリースされた「Tracion Avant」に収録されています。
ジャケットには、アルバムタイトルにもなっているシトロエンの名車 が大きくデザインされています。旧車好きの僕にとっては、何とも心そそられるジャケットです。
僕の場合、アルバムを手に入れる手順は、通常、どこかで耳にした気になる曲→タイトルとアーティストを調べる→収録されているアルバムを探すというカタチがふつうです。
なのですが、この曲の場合は違いました。雑誌に載っていたジャケットが目をひいたのがきっかけでした。アレサンドロ・ガラティなんて、知りもしませんでしたよ。ま、批評欄には僕好みのことが書いてありましたけどね、 空気感とか。
で、聴いてみると、確かにその通りとうなずく自分がいたのです。
勝手な思い込みというかイメージなんですけど、イタリアとかスペインとかヨーロッパの南の方って、どっちかというと静謐というよりは、喧騒という感じありませんか。
ところが、このアルバムそんなイメージは全くなくて、冷たい静けさというか、地域で言うと、同じヨーロッパでも北の方の雰囲気を感じさせる内容でした。僕の好きなビョルンスタにも通じるものがあります。
それが「Floating#1」という曲でした。
っていうか、「Floating#1」、「Floating#2」はガラティと、このアルバムに参加しているパレ・ダニエルソンとの共作ですし、ダニエルソンと言えば、前に取り上げたビョルンスタの「Floating」と言うアルバムにも参加してますから、雰囲気似ちゃうのは当たり前かもしれないです。気に入るのも当たり前かな。
ちなみに、Tracion Avantは、もともと前輪駆動と言う意味らしいですが、前述の通り、車の名前として広く認知されるほど人気になった車種です。前に一度、近くで展示されていたのを写メったのがこれです。
良いですよねえ。このフォルム。
話がそれてしまいましたが、この「Floating#1」、あえて選んだのでアルバム中の他の曲との違いやこだわりが表現しにくいのですが、ベースとピアノの絡み具合といいますか、その辺が、心地よく感じられます。少しベースが前に出ている雰囲気も良いですよねえ。
偉そうに言えるほど音楽を知ってるわけではありませんが、良くできたアルバムだと思います。また、頭から聴こうっと。
「絶妙の前輪駆動」とは「Tracion Avant」というアルバムだという、お話でした。
でわ、また。