CSN&Yというグループがありました。活動時期は1970年前後ですから、リアルには良く知りませんが、洋楽に興味を持ちだしたころ、彼らの「Deja Vu」というアルバムを聴く機会があって、レコードを買ったことがあります。そのレコードはもう、手元にありません。
レコードって重いし嵩張るし、相当の枚数を所有し続けるというのは、なかなかハードルが高かったのです。なので、ほとんどのレコードを友人にあげるなどして処分してしまったのですが、ふと、CSN&Yの「Deja Vu」を思い出して、聴いてみたくなりました。
「Deja Vu」というのは、日本語で言うと「既視感」という意味だというのは、ご存知かと思うんですけど、僕によくあるのは、経験して無いのに経験したように感じるのではなくて、経験したことを忘れてしまって、なんか前にも同じことがあったような気がするなどと勘違いすることです。
で、結構、「Deja Vu」というタイトルのアルバムが出てくるんですよね。もちろん「CSN&Y」が一番だったですけど。そのなかで、色っぽい女性のモノクロのジャケットが目に留まりました。アーチー・シェップ、テナー・サックス。
ふーんという感じ。
実はサックスとかリードを使う楽器は、あまり好きではなかったのですよ。割れる、ビビるというイメージが強くて。
しかしですね、これまで、ふと目についたものをですね、聴いてみて「いいなあ」と思うことも、少なからずあったわけですよ。で、買ってみましたと。
日本語版だと、「フレンチ・バラッド」になってるんですよね。
多分好き好きはあるんだろうと思いますが、話しかけるようなサックスの響きがそこにありました。
What Are You Doing The Rest Of Your Life
いいですねえ、本当に。
なんでも1969年のアメリカ映画「The Happy Ending」(邦題「これからの人生」)の主題歌としてミシェル・ルグランが書いたものだそうです。前回の話題でも出てきましたが、ルグランてすごいんですね。イージーリスニング楽団のマスターっていうイメージしかなかったんですけれども。
そしてまた、本当にいろんな人が演奏したり歌ったりしているんですねえ。
有名どころでは、バーブラ・ストライザンド、フランク・シナトラ、サラ・ボーンなど、演奏だとフィル・ウッズなど。そうそう、スティングも歌ってますね。知りませんでした。
でもね、何回か聞いていると、どこかで聞いたことあるような気がしてきたのです。
前にも、こんな感じでいいなあと思ったことなかったっけなあ。うーん、まさしくデジャブだなあと。
ところが、後日、ビル・エバンスの、「From Left To Right」というアルバムの1曲目に、この曲が収録されていることに気が付くのでした。
いい加減なもんですねえ、僕って。
What Are You Doing The Rest Of Your Life
これからの、人生をどう生きていくの?
今から、考えます、はい。
「健忘症とデジャブ」というお話でした。
でわ、また。