「見張塔からずっと」(All along the watchtower)、あのボブ・ディラン(Bob Dylan)の曲ですね。日本で知名度が低かった頃はダイランと言っていたとかいないとか。
概要はこちらに。
歌詞について、聖書のイザヤ書第21章を踏まえてディランの社会観を表現しているとあるので、聖書のその部分を読んでみました。もちろん日本語版ですよ。
5 彼らは食卓を設け、じゅうたんを敷いて食い飲みする。もろもろの君よ、立って、盾に油をぬれ。
6 主はわたしにこう言われた、「行って、見張りびとをおき、その見るところを告げさせよ。
7 馬に乗って二列に並んだ者と、ろばに乗った者と、らくだに乗った者とを彼が見るならば、耳を傾けてつまびらかに聞かせよ」
8 その時、見張びとは呼ばわって言った、「主よ、わたしがひねもすやぐらに立ち、夜もすがらわが見張所に立っていると、
9 見よ、馬に乗って二列に並んだ者がここに来ます」。彼は答えて言った、「倒れた、バビロンは倒れた、その神々の像はことごとく打ち砕かれて/地に伏した」。
参考までに、原文が
5 Prepare the table, watch in the watchtower, eat, drink: arise, ye princes, and anoint the shield.
6 For thus hath the LORD said unto me, Go, set a watchman, let him declare what he seeth.
7 And he saw a chariot with a couple of horsemen, a chariot of asses, and a chariot of camels; and he hearkened diligently with much heed:
8 And he cried, A lion: My lord, I stand continually upon the watchtower in the daytime, and I am set in my ward whole nights:
9 And, behold, here cometh a chariot of men, with a couple of horsemen. And he answered and said, Babylon is fallen, is fallen; and all the graven images of her gods he hath broken unto the ground.
確かに、Dylanの歌詞にも「watchtower」、「drink」、「two riders」とかありますね。
でも、それ以上のことは・・・。だから何、っていう感じになっちゃいますね。なので、そういうトリビアということで。
まずは、オリジナルのボブ・ディラン版は、これに収録されています。
で、ウィキペディアにあるとおり、ニール・ヤング、デイブ・メイスン、グレイトフル・デッド、U2、デイヴ・マシューズ・バンド・・・とまあ、たくさんの人がカヴァーしているのです。
それは、ジミ・ヘンドリックス(Jimi Hendrix)のカヴァーの影響だといわれていますが、確かに、たんたんと歌うディランに比べて、ジミヘンのは、聴き応えがあります。ディラン本人も、ジミヘンの演奏スタイルでパフォーマンスするようになったといわれていますよね。
BOB DYLAN -All Along The Watchtower (Live in Woodstock 1994)
さて、では、どれが僕にとって一番心地よいかという話に入りましょう。
ウィキペディアでも例示されていないようなカヴァーを、いいよおーと、紹介できると心地よいんですが、これだけ有名な曲だとなかなかね・・・。
手元にあるのは、ジミヘン、ニール・ヤング(Neil Young)、U2、デイブ・メイスン(Dave Mason)、ポール・ウェラー(Paul Weller)なんですよね。しかも、メイスンは名盤とされる「Certified Live」(1976年)ではなく、「The 40,000 Headmen Tour」(1999年)なんです。ライブが多いんですけれども、ライブの方がノれるかも。
で、いろいろと悩んだのですが、今回は、ニール・ヤング版ということで。
「Road Rock V1」(2000年)の8曲目に収録されているヤツですね。プリテンダーズのクリッシー・ハインドも参加してます。何しろ7分50秒の大作です。心地酔いです。
ニール・ヤングのヴォーカルには、賛否あると思いますが・・・。
この、 「Road Rock V1」、V2が出るのかと思いきや、いまだに出てないような。
「あのジミヘンもカヴァーした」ディランの「All along the watchtower」は、心地よいぞというお話でした。
でわ、また。