グッバイ・ポークパイ・ハットという
曲があります。
怒れるジャズマン
チャールス・ミンガスが
作った曲です。
グッバイ・ポークパイ・ハットの意味
どんな意味かご存知でしょうか。
聞いてしまえば何というほどの
モノでもないのですが、
知らないとわからないということは
たくさん世の中にありますよね。
これも、その一つだと思うんです。
まず、「ポークパイ・ハット」というのは、
こういう形の帽子のことです。
潰れたシルクハットみたいな形ですね。
ポークパイという食べ物に
その形が似ていることから
こう呼ばれるように
なったのだそうです。
ポークパイというのは、
イギリスの伝統的な
ミートパイで、
その名のとおり
豚の挽肉が入ったパイです。
この画像は、英語版のウィキペディアからお借りしています。
てっぺんが平らなところや
真っ直ぐに立ち上がっているところが
似ているということのようです。
なるほどと思いますね。
そして、このポークパイ・ハットを
トレードマークとしていたのが、
先日お話しした
レスター・ヤングですね。
彼のは、少しばかり
つばが広いようですね。
つまり、
「グッバイ・ポークパイ・ハット」
というのは、
「さよなら、レスター・ヤング」
という意味なわけです。
追悼の曲ということになりますね。
腑に落ちました?
最初に録音されたのは?
ミンガスが、最初にこの曲を
録音したのが「Mingus Ah Um」という
1959年のアルバムです。
レスター・ヤングは、
1959年の3月死去、
このアルバムの録音は、
5月となっていますね。
Discogsには、この曲は
「5月12日」に録音されたと
表示されています。
本当に直後といってもいいくらいです。
演奏メンバーはお恥ずかしい話ですが
あまり知らないんです。
テナー・サックスのブッカー・アーヴィン
ピアノのホレス・パーランぐらいですかね、
聞き覚えのあるのは。
では、そのバラッドを聴いてみましょう。
とても、観客を怒鳴り付けたり
共演者を殴り飛ばしたりした人が
作曲したとは思えませんよね。
誰もが言っているように、
この人の本質は、不器用なくらい
優しいのかもしれません。
ミンガスは、後(1963年)に
「5ミンガス」というアルバムの中で
「Theme For Lester Young」として
再収録しています。
聴いときます?
他には、誰が演奏している?
この曲は、あのジェフ・ベックが
アルバム「Wired」で
カヴァーしているのは有名な話ですので
ソコも押さえておきましょう。
こうした話(追悼曲)を知って
この曲を聴き込んでいくと、
ソリッドなギターの音が
心に刺さるような気がしてきます。
邪道かもしれませんが、
知っているということは、
何かにつけて大事だなと
思わざるを得ません。
さて、もう一曲だけ
聴いてみましょうか。
同じベーシストである
スタンリー・クラークが
「If This Bass Could Only Talk」(1988年)
というアルバムに収録しています。
ヴォーカル付きの演奏があるらしいけど?
そうなんですよね。
ジョニ・ミッチェルが
詞をつけているんですね。
ではまず、本家の歌を聴いてみましょう。
ベースが独特で、ジャコだとすぐわかりますね。
後はケイコ・リーが
歌っているものが
私のコレクションには
ありました。
動画はないようですね。
残念です。
独特の低い声も良いですよ。
でわ、また。