「ユリゴコロ」という本を読みました。
こんな表紙の本です。
作者の沼田まほかるサンという方は、
56歳でデビューしたと言いますので
ずいぶんと遅かったのですね。
この「ユリゴコロ」は
2012年に大藪春彦賞を
受賞した他、本屋大賞にも
ノミネートされるなど、
かなり知名度のある
小説だったようです。
また、2017年には
松坂桃李、吉高由里子主演で
映画化されたみたいですし。
でもねー、わたス、
ちーとも知りませんでした。
ちーとも知らなかった私に
この小説を教えてくれたのは、
とあるネットのサイトでした。
ネットには、「ブクログ」とか
「書評空間」とか「本が好き」とか
イロイロとあるんですよね。
しかし、ウィキペディアには、
まほかるセンセのことを
湊かなえや真梨幸子らとともにイヤミス(読んだ後にイヤな後味が残るミステリー)の女王とも呼ばれる。
なんて書いてあるものですから
どんな読後感になるのかと
心配しながら読んだのですよね。
しかし、最後には私、
泣いておりました。
物語は、一人暮らしをしている
父親の部屋で、
息子の亮介が見つけた
3冊の古いノートから始まります。
そこには創作ともとれる
殺人に取り憑かれた人間の
物語が書かれていたのでした。
女性とも男性ともわからない
ノートの書き手がおこした、
心も凍る事件の数々。
そして、読めば読むほど
自分の家族のこととしか
思えなくなってくる
書き手を取り囲む環境。
幼い頃に感じていた
母親がすり替わったのでは、
という記憶が甦えってくると、
それは、疑惑から確信に
変わってしまうのでした。
父の、母の、祖母の
そしてひとつの家族の秘密が、
明らかになるまでに
亮介とその職場、また恋人の話が
微妙に絡まりあって
話は進んでいきます。
最後まで読んだとき
なぜだか私は泣いておりました。
普通の人として普通に暮らしている、
だからといって、そこに至るまでの人生が
普通だったとは限らないのですね。
多くの場合、そうした過去は、
人に知られたくないものです。
にもかかわらず、
人の目に晒されてしまうことが
往々にしてあるというのことですね。
ちなみに、映画の主題歌だったのは、
「rihwa」という人の「ミチシルベ」 です。
このアルバムに収録されています。
でわ、また。
最後までお読みいただき、
ありがとうございました。