この曲が心地よい!

ふと知り合った、自分に心地よいメロディー それらを紹介しています そしてときどきガーデニング、のつもりがガーデニングがメインになっています。

終わりなき夜に生まれつく

先日、といっても

半月ほど前になりますが、

恩田陸さんの

「夜の底は柔かな幻」を

読んだという話をしました。

www.kokochiyoi-blog.com

この中で彼女の

「終わりなき夜に生まれつく」という

スピンオフ作品の話もしたのですが

今回はそれにまつわる話です。

 

この「終わりなき夜に生まれつく」の

最終話(この本、短編4つの構成です)で

神山倖秀がウィリアム・ブレイクの詩集を

読んでいるシーンが出てきます。

 

このウィリアム・ブレイクという

イギリスの詩人、大変有名な

方らしいですね。

 

そのブレイクの作品に

「無垢の予兆」

というものがあります。

Auguries of Innocence (English Edition)

Auguries of Innocence (English Edition)

 

全132行の詩らしいですが、

その124行目に、次の一文があります。

some are born to endless night

これを訳すると、

「終わりなき夜に生まれつく者がいる」

ということになるらしいですね。

つまり、これを意識した

タイトル及び作品であったと

こうなるようです。

 

そうだったのか!

 

さらには、あのアガサ・クリスティの

小説にも「終わりなき夜に生まれつく」

というものがあります。

原題は「エンドレス・ナイト」

(Endless Night)なので

「生まれつく」はないですけど、

ウィキペディアには、

先ほどのブレイクの詩を

意識していると書かれていますね。

実際、ウィキペディアを

引用するまでもなく

本の巻頭にはブレイクの詩が

掲げられています。

f:id:ninasimone:20210131100444j:image

 

恩田さんのには、

こちらの作品の方にも

意識があったのかもしれません。

 

クリスティなんてほとんど

読んだことがないのですが

こうした情報を手に入れると

俄然興味がわいてきます。

 

「エンドレス・ナイト」は、

クリスティの晩年(1967年)の作品で、

内容については厳しい評価を

する方も多いようです。

この本 ↑ は新訳ということらしく、

乾信一郎さんの訳 ↓ が

最初のものらしいです。

乾さんの訳のものは図書館になかったので

矢沢さんの訳のものを借りてきました。

 

最後に、意外な人の名前に

出会ったことを報告しておきます。

それはパティ・スミスですね。

 

パティ・スミスといえば、

1970年代にパンク・シーンで活動し、

パンクの女王と称された人ですね。

ホーセス(紙ジャケット仕様)

ホーセス(紙ジャケット仕様)

 
イースター

イースター

 

この2枚は、持ってますが

それほど彼女のことを

知っているわけではありません。

詩人でもあったというのですが、

そんなことさえも知りませんでした。

 

で、彼女の詩集に「無垢の予兆」

という作品があるのを知りました。

そんなタイトルの詩集を

出していたとはね。

驚きでした。

無垢の予兆 パティ・スミス詩集

無垢の予兆 パティ・スミス詩集

 

いろんなところで、

いろんな縁が絡み合って

成り立っているのが

人の世なんですね。

 

でわ、また。

最後までお読みいただき、

ありがとうございました。